Preferred Networks 独自の深層学習モデル
本製品に搭載される深層学習(ディープラーニング, AI)モデルは、Preferred Networks(PFN)の有するプライベート・スーパーコンピュータでの延べ何万時間にも及ぶ膨大な試行錯誤から生み出され、改善されてきました。
良品と不良品の情報を活用する「教師あり学習」というアプローチを採用し、微細な不良を安定して精度良く見つけ出すようデザインされており、外観検査の自動化を強力にサポートします。
また、厳しいタクトタイム要件に応えるため、GPU(Graphics Processing Unit)を併用することで高速(画像1枚あたり10ミリ秒〜, 処理条件に依存)に推論処理を実行できるよう設計・実装されています。
少ないデータで、詳細なアノテーションも不要
学習データが数万枚以上必要だった従来の機械学習手法に比べ、本製品ではずっと少ない量で学習が可能です。良品100サンプル、不良品20サンプルといった少量のデータから検知漏れゼロ、過検知1%未満を達成した事例もあります。
ご用意いただく画像に対して「良品(good)」「不良品(bad)」といった分類を画像単位で行うだけで学習可能です。不良箇所を過不足なく列挙する(矩形で囲う、塗りつぶす)必要はなく、作業者の方にかかる負担は小さく抑えられています。
不良を探すうえで重要な画像特徴は、学習アルゴリズムが自動的に見つけ出しパラメータを最適化するため、従来のルールベース手法では難しかった対象物も検査自動化が可能になります。
不良箇所の可視化
本製品の検知モデル(学習したモデル)は、入力される画像に対し2次元の不良スコア(不良度合いに応じて各要素の値が大きくなる)を出力します。
この2次元のスコアをヒートマップとして可視化することで、AIがどのあたりを不良と見なしたのかを簡単に知ることができます。
GUIによる直感的な学習管理
検知モデル構築のため、WindowsおよびLinux向けにGUIを備えた「学習用ソフト」を提供しています。画像の登録からモデルの学習、精度比較やレポート作成に至るまでを一気通貫で管理でき、複雑な深層学習プログラミングの知識なしに簡単に学習を実行できます。
また、お客様のローカル環境で動作するデスクトップアプリケーションの形式をとっているため、インターネット上に機密性の高い画像をアップロードいただく必要は一切ありません。
柔軟・迅速なシステム立ち上げ
検査システム構築に必要となる「検知ライブラリ」をWindowsおよびLinux向けに提供します。学習したモデルは学習用ソフトからワンクリックで簡単にエクスポートでき、検知ライブラリに読み込ませて検査に使用します。
検知ライブラリは、C/C++、C#、Pythonといったプログラミング言語から利用でき、お客様の検査システムに柔軟に組み込むことが可能です。パートナー企業が別途提供する検査アプリケーション(検知ライブラリ組み込み済み)を使用し、すぐに検査を立ち上げることもできます。
勿論、検知ライブラリはローカル環境で完全に動作するため、インターネット接続の必要はありません。